前回お話しした「36の基本動作」ですが、どのよなものがあるのでしょうか?
「立つ」「歩く」は割とすぐに思いつくのではないでしょうか?
「走る」「跳ぶ」「持つ」…。
皆さんはいくつ思い浮かびますか?
参考:http://sukuiku.com/toku/1802.html
これらの基本動作は概ね6歳までに身につけておきたいものとされています。
さて、早速ですが、森のようちえん「あおぞらきっず」の写真を例に「基本動作」の一例をお話をしたいと思います。
森のようちえんの活動範囲内には小さな小川が流れていて、毎年、この小川は子どもたちにチャレンジの場を与えてくれます。
この小川を越える際に使える運動はなんだと思いますか?
「歩く」「渡る」「跳ぶ」…「泳ぐ」?
「歩く」
裸足で、長靴で…。
水深と長靴の長さがマッチせず、長靴がバケツになることも。
「渡る」「跳ぶ」
上の写真はさすが年長児。洗練されたガキ大将の動きとなっていますが、ここにたどり着くまでにはいくつかの段階があるのではないかと思います。
例えば
①人の手を借りて ②自分ひとりで
×
A:大股で歩いて渡る B:両足飛びで渡る C:片足で踏み切って飛び渡る。
といった具合です。
「泳ぐ」
これは、まだありません。もしかしたら、今後あるかも…!?
もちろん、踏み切り地点や着地点が泥場で滑て尻餅をついたり、飛距離が足らずドボンして泥だらけになったりと、失敗することも…!
しかし、そこには学びが生まれます。
もう少し幅の狭いところで再チャレンジしてみようかな?
もう少し勢いをつけてみようかな?
あそこは、滑りそうだな…別のところにしよう。
滑ってヒヤッとしたけど、バランスととって持ちこたえられた。
転けたけどみんなの笑いが取れて、なんだか面白いぞ。
水が冷たくて気持ちよかった!(濡れてもいいや!どんどんチャレンジしてみよう9)
…寒かった。(寒い日にチャレンジするのは、もうやめようかな)
などなど。
こうやって試行錯誤を繰り返し、失敗と成功を重ねながら運動を獲得し、自信をつけて行くのです。
そして、最初は「平地→平地」だったのが、「低いところ→高いところ(岩の上)」や、「高いところ→低いところ」と難易度を上げての挑戦へと変化し、5〜6歳頃になってくると無駄な動きも減って、より洗練された動きとなって行くのです。また、「走る」「跳ぶ」「渡る」=「「走って飛び渡る」といった、複数の基本動作を連続して行えるようにもなっていくのです。
これらの動きを獲得するためには、ある程度「繰り返し遊ぶ」 ということが必要です。
「いつも同じことばかりして遊んで…もっとこんな遊び方があるのに」「今度これをしてみたら?」なんて、世話を焼きたくなってしまうこともあるかもしれませんが、今まさに子供はその動きを獲得するために全神経を集中させて遊んでいるのかもしれません。
子どもが繰り返し遊んでいる時、「今子どもはどんな動きを獲得しようとしているのかな?」と、そっと見守ってみてくださいね。新たな発見があるかもしれません。
「遊ぶ」をたくさんしよう!