「なぜそこに登るのか」
「そこに山があるからだ」
そういったのは、イギリスの登山家、ジョージ・マロリー。
今では人生を山に例え哲学的な意味を加えられたりしていますが、実際「山」は総称的なものではなく「エベレスト」を指しているそう。
「なんでそんなところに登るの!?」
子ども達に聞いたら、きっと
「え、だって、崖があるから!」「登りたいから!」
って答えるのかもしれません。
そういうことなんだと思うのです。シンプルに。
「森のようちえん あおぞらきっず」の活動の敷地内には、竹藪を取り除いた後が「崖」となっていて、去年度の子供達にとっての最高の遊び場となりました。
写真では伝わりにくいですが、大人の目で見ても本当に急な斜面で、見ているこっちがヒヤヒヤしてしまうほど!
(写真付きブログはこちらから→ https://kids.naoc-jp.com/2019/05/23/9233.html)
そこに子どもたちはわざわざ集まるのです。
竹をきれいに掘り返した穴ぼこや少しだけ残った竹筒を最大限に利用するのですが、最初は手足をどこに置いていいのかさえ分からず、下を見る余裕もないくらい緊張で体が固まっていて…。
それでも他の人が登って行く姿を見て、挑戦してみたい!と思うのだから不思議ですよね。
そういった子は、手足を次の置き場に誘導してやります。
竹筒に手を掛け掴み、足の置き場を決め、足腰をしっかりと使って体全体を「ぐいっ」とあげて少しずつ上へ上。引け腰になってしまってはいくらも登れない。
「落ちたら大変だ…」
この緊張感からか、子どもたちはとてつもない集中力を発揮するのです。
無言で、しっかりとした目つきで。
好奇心が恐怖心に打ち勝って登頂をした時、そこから見えたパノラマや、登ってきた急斜面を改めて見下ろした時、子どもたちはさっきまでとは全く違った清々しい顔つきに!
大きな達成感と自信がこみ上げてくるのでしょうね。これを味わうと「自分で」という欲求が生まれ、今度は一人で挑戦し始めますのですが、もっと集中力が必要となり、考える力も必要となってきます。
時々、足を踏み外し滑り落ちて砂埃にまみれることも。痛みからか悔しさからか涙を滲ませるも、また足をかける。
それでも挑み続ける魅力がそこにはあるのです。
ちなみに冒険活動の登山でも、人気のコースの一つにロープや鎖場があり、参加するには勇気がいるものの一度参加したらリピーターの多いプログラムの一つです。
こういったものは36の基本動作の「登る」「掴む」だけでなく、体の重心やバランスの取り方などのインナーマッスルなど様々な神経や筋肉にも働きかけてくれる他、危険察知能力や集中力といった様々な感覚を大いに刺激してくれ、達成感や自信にも繋げてくれる最高の遊びだと思うのです。
人間にとって必要なことは、何気ない遊びの中でしっかりと培われていくのですね。
さぁ、「遊ぶ」をたくさんしよう!
*「あおぞらきっず」では、上記のような場面では必ずスタッフが付き、リスクを最小限にできるようリスクマネジメントを行っております。
*「あおぞらきっず」では、自然の中での様々な活動を通し、お子様の健康な体づくりも応援しています。
「危ないからやらないで」ではなく、お子様の挑戦する姿、考える力を大切にお子様の発達を見守っております。
*遊びで培う36の基本動作
参考:http://sukuiku.com/toku/1802.html