あおぞらきっずでは、時々お世話になるお寺があります。ある時は森の中で滝行を、ある時は一年で一番寒いと言われている大寒の日(の前後の土日)に大寒禊(野外で井戸水を体いっぱいに浴びて心身を清める)を。
そして、今年最後となるプログラムでは、「宿坊」の体験をさせていまだきました。
1泊分の荷物を背負い約9kmの道のりを歩いてお寺を目指し、それから宿坊体験をするのですから、それなりの体力と集中力が試されます。最年長の6年生にとってはゆっくりなペースでも、最年少の年中児にとっては大変なもの。リュックの重さと長時間の移動とで、疲れ、転び、何度涙を流したことか…。
そんな時、面白いことを言って笑わせたり、鬼ごっこをしたりし、笑顔とやる気を取り戻そうとする年上の子たち。子どもながらにも小さい子を思いやる気持ちが伝わってきて、とても頼もしく感じました。
対象年齢を絞ることで活動の幅が広がることに間違いありませんが、このような思いやりの心は、体力も精神年齢も離れた幅広い年齢での活動の中で、より自然と生まれくる傾向にあるので、今後も大切にしていきたいと思っています。
さて、普段はひょうきんでお喋り好きな子どもたちも、住職さんの前ではピシッと背筋が伸びるのでした。
お寺では、座禅、読経、写仏、写経、掃除、朝のお勤めと体験させていただくと同時に、それぞれをする意味などをその都度分かりやすい言葉で教えていただきました。
そのほか、畳の上の歩き方やその理由、太鼓を叩いたり法螺貝吹いたりする理由なども…。
お寺での修行体験では、自分の心と向き合ったり、集中力を養ったりと様々な効果があるようですが、なかでも驚いたのが、座禅と写経の時間です。
1回目は何も考えないよう5分、2回目は今日一日を振り返りながら6分行った座禅では、誰一人言葉を発することなく時間が過ぎました。2回目の方が1回目より短く感じたのは集中していた証拠なのだとか…!
そして、一番集中したのは何と言っても「写仏」「写経」の時間です。
1時間も集中できればいいかな?と予定を組んでいたのですが、すごい集中力を発揮し、全員、写仏と写経の両方に挑戦。誰1人飽きることなく2時間という長い時間を一つのことに集中しきったことに、スタッフも住職さんもビックリ!
これらの体験をすることで、心がスッと軽くなるようなクリアになるような感覚を覚えたのは、きっと子どもたちも同様なのではないかな?と思っています。
「できない」「やって!」と、お願いすることの多かった一日目。
年上のお兄さんたちに助けられながら、お寺で様々な体験をし、初めてのお泊まりも成功!二日目の帰路ではリュックを背負って「全然重くない!」と笑顔。年中児の男の子も、たった1日で随分と逞しくなったものです。
インフルエンザの流行により直前のキャンセルもあって、参加者は少なくなってしまったものの、それぞれがとても意味のある有意義な時間を過ごせたのではないでしょうか。