昨日はチャリ旅!「ツール・ド・NIKKO KAIDO」でした。
今回挑んだのは1~6年生までの小学生男女17名。
あおぞらきっず自体が初めての子もいれば、20kmのチャリ旅で自信をつけてステップアップで参加してきた子、80kmのチャリ旅を完走しつつも距離なんてカンケーない!と楽しむチャリ旅愛好家など様々です。
今回は日光二荒山神社から宇都宮城址公園までの40km。
世界遺産にも登録されている地ですから、歴史的建造物や古い建物、日光杉並木の巨木など、普段の景色とはまた違った景色を楽しみながらの走行となりました。
巨木を見ては「この木はいつからあるんだろうね?」「50年前とかじゃない?」「えーーー!もっとでしょ!?500年とか?」と言う会話が広がり、紫陽花を見つけては「青色だ!次はピンク!・・・紫!・・・白!」「・・・白って珍しいねー。あまり見たことないかも!」という会話が広がります。ちょっと寄り道をした荒牧りんご園付近では、青い小さなりんごが新鮮だった様子で、その付近に落ちていた梅の実には「桃みたいな甘い匂いがするー!」とにんまり笑う子どもたち。
スタートし始めは漕ぎ進むことで精一杯の子どもも、慣れてくると周りの景色に目を向ける余裕が生まれてきます。
そこで、いろんな事に気づき始めます。
きっと白い紫陽花も身近にあるかもしれない。でもそれは、景色の一部として埋もれてしまっているのかもしれません。
そんな何気ない普段の景色や四季ある自然を身近に感じながら楽しめるのがチャリ旅なのかなと思います。
自転車の街とは言えども、きっと大人でも自転車で遠出することは、そうあることではないかもしれません。
そもそも車社会の今、わざわざ時間をかけて自転車で遠出することなんてなかなかないでしょうし、昔に比べたら交通量も増え安心して自転車で走れるのか心配なところもあります。それを、小学生が自転車で20km~80kmの旅をするのですから!
それはもう、子どもたちにとっては大冒険なんだと思います。
自分の生活圏内・・・友だちの家やお使いで行くスーパーよりも更に遠くへ飛び出していったり、反対に今回のように遠くの地から自分たちの生活圏内へ戻ってきたり。
長時間サドルにまたがることで感じる内腿やお尻の違和感や痛みに耐えながら漕ぎ続けるペダル、慣れない下り坂で思いっきりブレーキをかけ続けて疲れきった指、車道に近いところを自転車で走る時のとてつもない緊張感。
途中で自転車ごと転んでしまったり、雨に降られてカッパを着て走行したり、体力の限界で自転車から降りて歩いたりすることもあります。
誰かが怪我をすればそれを心配し回復を待ち、誰かが疲れ果てればそのペースに合わせて走行する。
「自分のペース」で走れずに、きつい言葉を言ってしまうのも、言われてしまうのも通る道。
でも、少しずつ気がつき始めます。高学年と低学年では車輪の大きさもひとこぎで進む距離も、そして何よりも体力が全く違うということ、でも、目指すところはみんな一緒ということを。
最近では、みんな温かいです。その時一番大変な人にペースを合わせるというのが浸透してきている。
そして、ただ待つのではなく楽しみながら待てるから、「早く!」とか「遅い!」とか、そういうギスギスした感じにならない。
何かあっても仲間が待っててくれる、勇気づけてくれる!
だから、きっと1年生も不安な子も諦めない!
仲間と一緒だからこそ、景色や楽しい時間はもちろん、辛いことも共感し合って、励ましあい、がんばることができるのだと思います。
そんな経験をした子が大きくなって、今度は温かく見守る、待つ側になっていくんだろうな~なんて思ったり。
そして、自分の体を動かし苦労して進んだ先のゴールでは、とてつもない達成感、そしてやりきったという自信、今まで以上の「仲間感」が湧き上がってきます。
初めて会った友だちも、次会った時にはきっと「この前一緒にチャリ旅やったよねー」と時間の共有の思い出から始まるのでしょうね。